「お前のクラスじゃないだろう」

「そうなんですけど、ちょっと話があって」

「話?」

「陽介君?」

 ふいに声がして二人が顔を向けると、しゃ、と白いカーテンがあいて藍が顔を出した。


「どうしたの?」

「2組行ったらここだって平野に聞いて。カバン預かってきた」

 ベッドに腰掛けて上履きをはいた藍は、立ち上がって陽介からカバンとコートを受け取る。

「ありがと。何か私に話があったの?」

「ああ。クラブのことで」

 藍は、ちら、と木暮の顔を見ると、陽介に言った。