「じゃあ、この手紙はやっぱり」
「面会時間くらい調べてから来い。迷惑かけて悪かったね」
最後の言葉を受付嬢にかけると、彼女は、ほ、としたように笑みを浮かべた。あきらかに陽介に向けていた笑顔とは違う。
「来い」
そう言って陽介の返事も聞かずに背を向けて歩き始める。あわてて陽介はその後ろに続いた。
「君が、陽介君か」
一緒にいた男性が、目を細めて陽介を見る。
「はい。宇津木陽介です。あの、あなたは?」
「木暮真一。これの父親だよ」
親子とは思えない穏やかな笑顔で男性は微笑んだ。陽介は、目を丸くする。
木暮の父は、国でも有数のAIに関する開発者だと言っていた。
(この人が……)
そして、藍の実の父親だ。
「ど、どうも。木暮さんにはお世話になりました」
「お前を世話した覚えはない」
「これ。お前はどうしてそう、愛想がないんだ」
たしなめるように言った男性は、陽介に向かう。
「すまんね。この子は、頭がいいばかりで人付き合いが悪くて」
「いえ……」
どう答えていいのかわからず、あいまいに陽介は笑った。
「面会時間くらい調べてから来い。迷惑かけて悪かったね」
最後の言葉を受付嬢にかけると、彼女は、ほ、としたように笑みを浮かべた。あきらかに陽介に向けていた笑顔とは違う。
「来い」
そう言って陽介の返事も聞かずに背を向けて歩き始める。あわてて陽介はその後ろに続いた。
「君が、陽介君か」
一緒にいた男性が、目を細めて陽介を見る。
「はい。宇津木陽介です。あの、あなたは?」
「木暮真一。これの父親だよ」
親子とは思えない穏やかな笑顔で男性は微笑んだ。陽介は、目を丸くする。
木暮の父は、国でも有数のAIに関する開発者だと言っていた。
(この人が……)
そして、藍の実の父親だ。
「ど、どうも。木暮さんにはお世話になりました」
「お前を世話した覚えはない」
「これ。お前はどうしてそう、愛想がないんだ」
たしなめるように言った男性は、陽介に向かう。
「すまんね。この子は、頭がいいばかりで人付き合いが悪くて」
「いえ……」
どう答えていいのかわからず、あいまいに陽介は笑った。