夢をみることが億劫で、年を重ねることが憂鬱だった。

 今、私の前に灯るロウソクを吹き消すという行為は、私がまた一つ大人へ近づいてしまったことを認めてしまう行為。
胸を埋め尽くす抵抗心に反して、私はロウソクの火を消す。
暗転した室内に響く祝福の中で、その祝福を受け入れられずに俯く私がいた。