「じゃあ葉瀬さんと私は休憩ってことで。まわってきますね」
「はーい。楽しんで〜」
文化祭、当日。
わたしは、山井さんと一緒に教室から出た。店番はシフト制なので、揃って休憩をとったのだ。一時間近くあるため、たくさん出店をまわることができる。
「どこ行きたい?」
「どこでも。山井さんの好きなところに」
「じゃあ何か食べ物が売ってるところに行こっか」
文化祭バージョンの山井さんは、いつものひとつ結びとは違い、おさげスタイル。わたしがやると芋っぽくなってしまうのに、山井さんは驚くほど似合っていた。素朴な顔立ちでどのパーツも薄くきれいだから、似合うのだと思う。
「あの、山井さん」
「ん?」
人気のなくなったところで、前を歩く山井さんの腕を掴んだ。
「誘ってくれて本当にありがとう。わたしなんかと、まわってくれて」
「ううん! ただ、私が葉瀬さんとまわりたかっただけだから! お礼を言うのは私の方だよ」
山井さんはペコっと小さなお辞儀をした。
『葉瀬さん。文化祭一緒にまわろう』
それは二日前のこと。そのときまで、わたしは文化祭を休むつもりだった。
そんなわたしを見越してなのか、単に偶然なのか。わたしにそう声をかけてきたのは、以前、グループが一緒になった山井夕映さんだった。
「あ、もし葉瀬さんがよければだけど。安心して! 二人だけだから、気楽にしててくれればいいし」
身体の前でヒラヒラ手を振っている山井さんは、「もちろん、無理なくだけど」とまだ言葉を並べていた。
正直、嬉しかった。一人でいるのは目に見えていたから、そんな思いをするのならと休むつもりだった。クラスの出し物は結局ワッフルになってしまったし、出店の主なメンバーは赤坂さんたちだったから。
わたしなんて、必要ない。
文化祭は、普段一緒にいてくれる柴谷も、他の男子と回るらしかった。だからますます自分が孤立してしまったみたいで、休まざるをえなかった。
それなのに、だ。山井さんはどうして、わたしを誘ってくれたんだろう。
同情か、それとも単に優しいだけなのか。文化祭という大イベントを、たいして親しくもないクラスメイトとまわるなんて、山井さんはどうかしている。
「山井さん、わたしのことは大丈夫。好きな人とまわりなよ」
「うん! だから葉瀬さんとまわろうと思って! 私は葉瀬さんとまわりたいの!」
「……本当にいいの?」
「こちらこそ、よろしく!」
へへ、と笑った山井さん。彼女が笑っているところは、何気に初めて見たような気がする。
たまに話しかけてくれることはあっても、ここまで親しく関わったことはなかった。
「ありがとう、山井さん」
こうしてわたしは、二度目の文化祭を体験できることになったのだ。
やきそば、クレープ、占い、わたあめ。各教室、できるだけ被りがないよう配慮されたから、その分たくさんの種類のお店がある。なかには恋愛相談バーというのもあって、お酒の代わりにジュースが出てくるものもあった。
山井さんは男女逆転メイド喫茶がとても気になっているらしく、そこも一緒にまわった。
「星野先輩!」
山井さんにはお気に入りの先輩がいるらしく。その人を見ることが目的なのだろうと悟る。
残念ながらメイド姿はしておらず、制服姿のままだったけれど。
とてもきれいな人だった。纏う雰囲気がどことなく柴谷に似ている。
聞けば、バスケ部のエースらしい。山井さんはバスケ部のマネージャーをしているから関わりがあるんだとか。
「もう引退されたんだけど、たまに廊下で会うたびにドキドキしちゃうんだよね」
じっと見つめると、山井さんは「全然恋愛感情とかじゃないんだけど!」と慌てて否定した。
「ぷっ……顔、真っ赤」
「やめてよつむ……、葉瀬さん」
砕けるように笑った山井さんが、突然顔を引き締める。一瞬、「つむぎ」という名前が呼ばれる気がして身構えたけれど、すぐに訂正されてしまった。
そうだ。わたしは今日、彼女に聞かなければならないことがある。
そのためにも、こうして一緒に文化祭をまわっているのだから。
「美術部の成果発表見にいきたい」
そう願い出ると、少し動きを止めた山井さんは、静かに目を伏せた。長いまつ毛が影をつくる。
「いいよ! でも、急にどうして?」
「ちょっと、気になることがあって」
「……そう」
【美術部展示】
わいわい賑わう教室とは違う棟にある、その場所には。
「わー……たくさんある」
「レベルたかっ……」
たくさんの絵が飾られていた。
キャンバスの裏側に、小さく名前が描いてあるようだった。
手に持てるくらいの大きさのキャンバスがほとんどのなか、数人でなければ運べないほど大きなものがあった。
それは校内でよく見る、光の絵。キャンバスいっぱいに光がひろがっている、そんな絵だった。
今日だけ壁から外されて、ここに展示してあるらしい。
「この絵、すごくお気に入りなんだ。明るくて、見ているこっちまで明るい気持ちになれるような気がして」
近寄った山井さんは、ふっ、と目を細めた。わたしも山井さんの隣に並ぶ。
【光】
この絵のタイトルは、それだった。
「葉瀬さんはどう思う?」
「え」
「この絵を見て、何を感じる?」
山井さんはそう呟いてまぶたをおろした。わたしはじっと絵を見つめる。
胸の奥からじわじわと感情が広がって、描き手の叫びが伝わってくるような気がした。焦がれるように、その絵に食い入る。そんなわたしを、山井さんは静かに見つめていた。
「苦しそう。光を撒き散らして周囲を明るくするたびに、自分は陰っていくの。ほら、ここ。だんだん色が暗色に近づいてる」
この真ん中に描かれているのは、光源。男性とも女性ともとれない人物が、光を身体にまとっていた。離れたところからは、周囲に行き届くほど、光り輝いてみえる。まるで、この絵の中の主人公のようだった。
だけど近くで見ると、それは少し誤解だってことがわかる。明るく見えるのに、繊細なタッチであかりの加減が表現されている。
たぶん、これは。苦しいんだ。
「コンテストテーマ、知ってる?」
「……知らない」
ざわっ、と胸騒ぎがした。
「このコンテストのテーマは『きみがずっと言えなかったこと』。それで、この人はこの絵を描いた。いったい、何を伝えたかったんだろうね」
山井さんの目がわたしに流れる。わたしもその瞳をまっすぐに見つめ返した。
この絵を、描いたのは。
「これ……わたしの絵、だよね」
さらっと窓から入ってきた風が、わたしたちの髪を掬った。山井さんの、薄墨色の瞳が揺れる。その反応は、この絵がわたしのものだと確信するにはじゅうぶんすぎるものだった。
「わたし、もう知ってるの。自分が自殺しようとしたこと」
山井さんは息を呑んでいた。お互いの小さな呼吸音だけが会話をする。
あの日。遺書を見つけた日、絵具道具も一緒に押し入れに入っていた。だから、なんとなく予想していた。以前のわたしは、美術部にいたのではないかと。
光り輝く絵の中に、小さく桜の花びらが描かれている。どうしてこの絵が自作のものだと思ったのかは自分でもよくわからないけれど、最初に見たとき直感的に、好きだ、と思ったのだ。きっと、昔の葉瀬紬と本質は変わっていないのだろう。
「あなたはわたしの何? どうしてそこまで優しくしてくれるの?」
「それは……」
「わたし、知りたい。なかったことにはしたくないよ」
山井さんが、過去のわたしにとってどんな存在だったのか。わたしは知りたい。過去に向き合って、受け入れて、そして今度は「わたし」として、しっかり前に進んでいきたい。
「私は────」
文化祭の喧騒は、いつのまにか遠くなっていた。
⸝⋆⸝⋆
葉瀬紬は、私の憧れだった。誰とでもすぐに仲良くなって、明るいノリを求められたときにはいつも調子を合わせていた。私には永遠にできないことだ。
そのときは愛想笑いで乗り切れたとしても後々疲労が現れるし、そもそも素の気質が暗いので明るさを偽ることすらできない。
だからそんな偉業を何の気なしにこなしてしまう葉瀬紬という存在は、常に憧れと尊敬の的だった。
けれど彼女のいちばんすごいところは、私のような暗い人間にも寄り添うことができるところだと思う。
『夕映ちゃんって暗いよね。もっと笑えばいいのに』
はるか昔、心に突き刺さった言葉は今も忘れていない。言葉は違えど、こういったニュアンスのことを言われすぎたせいで、自分は根暗な人間なのだと自覚するようになった。
だから、葉瀬紬とは違う世界を生きている。向こうが光なら、私は影。向こうが陽なら私は陰。そんなふうに、対極にいるような人物だと思っていた。
「夕映って名前、すごく綺麗だね」
たまたま席が隣になって、よく話すようになったころ、彼女はノートの名前をみながらそう言った。
「いや、似合ってないし……」
夕映。自分でも、素敵な名前だと思う。けれど、自分には似合っていないと思っていた。名乗るたびに、自分はその名にふさわしくないような気がして、恥ずかしかった。いつしか自分の名前を名乗ることがコンプレックスになっていた。
「ほら、私って暗いから。名前負けしちゃってるよね」
ゆうばえ、と読むこともできる。あたりが薄暗くなって、かえって物がくっきり美しく見えるようになること。
辞書で調べた時、いかにも美しいそれは、私には到底似合わない気がして。
山井夕映と書くたびに、自分の胸が締め付けられているのを感じた。
「暗いんじゃなくて、まわりのことをよくみてるんだよね。だって夕映ちゃん優しいし。こうしてちゃんと話してくれるし。暗いなんてあたしは一度も思ったことないよ」
「え」
「夕映ちゃんの名前は、あたしがつけても似合わないよ。やっぱり、夕映ちゃんだからいいんだよ。唯一無二だね」
どうして。いつも明るく振る舞っていて、住む世界が違うような人なのに、なんでこんなにも私が欲しい言葉をくれるのだろう。彼女がたくさんの人から人気な理由が、そのときはっきり分かった。
彼女は、無理して明るくしているわけではなくて。ただ、対象の人に寄り添っているだけなのだと。
そのためなら、カメレオンのように色を変えて、仮面をかぶることだっていとわない。そうやって彼女は生きているのだと。
「あたし、ずっと夕映ちゃんと仲良くなりたかったんだぁ」
「私も仲良くなりたかった。紬ちゃんと」
その会話から、私たちの距離はどんどん縮まっていった。
一年生のとき、文化祭を一緒にまわった。髪をおろして、少し普段とは違う紬ちゃんの姿に、男子たちが言葉を失っていたのを覚えている。
二年生になってもクラスが同じで、とても嬉しかった。掲示板の前で思わず紬ちゃんに抱きついてしまった。
二年生になって勉強や部活が難しくなっても、短い時間をなんとかやりくりしながら学校生活を送っていた。
そんなある日のことだった。
「紬ちゃん。柴谷くんが探してたよ」
「わかった! ありがと」
「あ、紬ちゃん! 修正テープ、返したいんだけど」
「また明日でいいよー!」
ばいばーい!と手を振りながら、五号館へとかけていく紬ちゃん。入学当初から仲の良い柴谷くんと会うのだ。彼女の口から「柴谷」という名前が出てきたことはないけれど、私は知っている。彼らが、二人だけの時間を過ごしていることを。
前に何度か、渡り廊下を歩く二人の姿を見かけたことがある。もし付き合っているのだとしたら、二人は隠すのが上手だ。クラスではいっさいかかわることなく、甘い雰囲気もぜったいに出さないから。
どんなふうに付き合って、どんなことをしているのか。私にはさっぱり分からなかった。
明日でいいって言ってたけど、どうせ教室に戻ってくるだろうし。ロッカーの中に返しておけば、見つけてくれるはず。
【ありがとう】と添え書きをして、紬ちゃんのロッカーを何気なく開けたそのときだった。
「……え?」
ロッカーの裏に貼られたものに、私は釘付けになる。
「あーーーっ!!」
ドタドタと足音がして、向こうから紬ちゃんがかけてきた。私のもとへ到着した彼女は、ロッカー扉の裏の貼り紙をびりっとはがす。
「……見た?」
「紬ちゃん、これ……」
「撤去し忘れちゃった。あーあ、やっちゃった」
へらっと笑う紬ちゃんの顔は、どこか歪んでいた。
「慌てて戻ったんだけど、どーして今日に限って忘れちゃったかなぁ」
「今日に限って、って……もしかしてこれ、毎日?」
「あー……またやっちゃった。もう黙ったほうがいいね」
ははっとかわいた笑みを洩らす紬ちゃんが何を思っているのか。どんなに目を見つめても、何も感じ取れなかった。
「紬ちゃん」
「いいの!」
【死ね】
【柴谷くんから離れろ】
【調子乗るなブス】
高校生にもなって、こんなことがあるのか。目を見張る言葉がそこには何枚も何枚も貼られていた。
今どきスマホがあるこの時代に、こんな安っぽいいじめがあるのだと驚愕した。だけど、匿名で届く文字の羅列よりも、こうして視覚的にインパクトが残るやり方を敢えて使ったのだと理解したとき、腹が立って仕方がなかった。
バレないようにこっそり、ではない。見せつけるかの如く、堂々といじめをしている。これはそういうことだ。
こんなに堂々としているのに、紬ちゃんが隠すのがうますぎて。
いや、私が鈍すぎたせいで、まったく気づいてあげられなかったのだ。
毎日笑っていたはずなのに。彼女は毎日こんな仕打ちをうけていたのだろうか。
どうして私は、何も気づかなかったんだろう。
「夕映ちゃん! あたしは全然大丈夫だから!」
こんなに近くにいたのに。どうして。
「所詮言葉だから。暴力とかはされていないからだいじょーぶ」
なんで。なんでそんなに笑っていられるの。おかしいよ、紬ちゃん。
「やっぱり柴谷は目立つからねぇ。でもあたしは柴谷といたいから、仕方ないことだよね。全然へーき。嫉妬なんてどんとこいだよ!」
「……ごめん」
「どうして謝るの! 本当に大丈夫だから、夕映ちゃんが思い詰めることはないんだよ。もしほんとに助けてほしい時があったら、遠慮なく頼るから! ね!」
うそ、ばっかりだ。
こんなにひどいいじめを受けているのに、毎日笑っていられる強さは、いったいどこから湧いてきているのだろう。彼女の明るさは、こんないじめがあった上でのものだったの?
「もし、限界が来そうになったらいつでもいってね。私、なんでも力になるから」
「……うん、ありがとう」
────結局、彼女は一度も私を頼ることなく、あっけなく生涯を終えた。自分で死を選んだ彼女は、誰にも言わず、人知れずこの世を去った。
『不自由かけますが……よろしく、お願いします』
そして、また私の前へと現れた。
新しい、葉瀬紬となって。
⸝⋆⸝⋆
「思い出したら、また自殺しちゃうんじゃないかと思って。完全にいなくなっちゃうんじゃないかって。そう思ったら、近づけなくなった。何にも守ってあげられなかった私が不用意に近づいて、最悪の結果になったらって」
「そう、だったんだ」
「ごめんね。ずっと、他人のふりして。本当は話したくて、一緒にいたくて、でも逃げてたの。自分の弱さから、逃げてたの」
ぽろぽろと涙を流す山井さん────もとい、夕映ちゃんは再び「ごめん」とつぶやいた。
「紬ちゃんの記憶は、治ったの?」
「ううん、なおってない。でも、わたしはどんな過去を知っても、向き合うって決めたから。絶対に死のうとしない」
この気持ちは、本当だった。もし、もう一回自殺をしようとしたら。その気持ちで、両親も、夕映ちゃんも、あまり距離を縮めようとはしなかった。
けれど、今のわたしなら大丈夫。どんなにつらい過去があっても、この先生きていくのがつらくなるような事実を知っても、それでも今は柴谷のとなりで笑っていたいから。
「……前のわたしも、柴谷と一緒にいたんだね」
やっぱり、わたしと彼は一緒にいたんだね。たとえ恋人という関係ではなかったかもしれないけれど、紛れもなく一緒にいたのだ。
周囲から疎まれる結果になったとしても、過去のわたしは彼と一緒にいることを選んだ。それが、とても嬉しかった。
「わたし……どうして自殺したのかな。知りたい。思い出せなくてもいいから、知りたいんだ」
いじめに耐えきれなくなって、という線がいちばん怪しいけれど、なにせ葉瀬紬だ。彼女は本当にしんどかったら、最初から何か対策をしているだろうし、夕映ちゃんに助けを求めているような気がする。自分のことなのに、まるで他人事みたいで笑えてくる。
「私も分からない。夏休み中だったし、連絡のやり取りはしていたけど紬ちゃん……ああ、昔の紬ちゃんから何か聞いてたわけじゃないから」
「そうなんだ」
「うん。突然だった、本当に」
だとすれば、よほど大きな衝撃が彼女を襲ったのかもしれない。明るく笑えていたはずの以前の葉瀬紬を、死に至るまでに追い込んでしまう圧倒的な出来事が。
「あ、あと。文化祭の出し物ね、本当は前、紬ちゃんの絵が目立つようにしようって作戦練ってたから。だから赤坂さんの案に決まったとき、結構ショックだったんだ。顔にでてたかもしれない」
「納得した」
時を経ての答え合わせでなんだかくすぐったい。
あのとき夕映ちゃんが沈んでいるように見えたのは、やはり見間違いではなかったのだ。
「そういえば紬ちゃん、文化祭マジック起きた?」
「なにもないよ……っていうか、相手いないから!」
「えー? 柴谷くんじゃないの?」
にやにやしながらわたしの肩をつつく夕映ちゃん。恋バナに発展したおかげで、いっきに可愛らしいムードが出来上がった。
柴谷のこと。
彼のとなりに並んでいたいと思うし、彼にならすべてを打ち明けることができる。
彼の瞳はとても綺麗だと思うし、いつも彼と過ごす時間を楽しみに学校に通っている。
「好きってどういうことなのかな」
「誰にもとられたくないって思うことじゃない?」
ーー誰にもとられたくない。
そういう感情はまだ芽生えていないような気がする。
じゃあ、やっぱりわたしは柴谷のことが好きなわけではない?
「そのための恋愛相談バーだよ! よし、いっくぞー!」
夕映ちゃんに引っ張られるようにして廊下を歩く。
久しぶりに高校生として、青春を謳歌できているような気がした。
本来、わたしが求めていたのはこういう何気ない幸せだ。
大切な誰かと、大切な思い出を積み重ねていく。その瞬間を切りとって、忘れないように閉じ込めておく。
ねぇ、過去のわたし。
苦しさを必死に隠しながら、常に明るく振る舞っていたはずのわたしへ。
絵に描くことしかできなくて、苦しんでいた昔のわたしへ。
ーーきみがずっと言えなかったこと、教えて。