高校一年生の夏、私は彼と一緒に地元の花火大会を観に行った。待ち合わせ場所のバス停までやってきた彼は浴衣姿の私を見て、照れながら「可愛いね」と言ってくれる。バスに揺られている間、下駄でうまく歩けるかずっと不安だった。でも、花火大会の会場に着くとお祭りの華やいだ空気に呑まれて、下駄のことなんか気にならないくらい楽しかった。
花火は私たちの目の前でバババンと咲き乱れる。人混みをかき分けて、人の少ないエリアで三角座りをして空を仰いだ。時折飛んでくる火の粉を、きゃあきゃあ言いながら避ける。二人で見る花火は特別で大切な思い出になった。
高校二年生の冬、別のクラスだった私たちは修学旅行の夜に部屋を抜け出して二人で会った。一年生の頃に比べるとクラスが離れたことで校内で二人きりになるのにかなり苦労した。もちろん、学年中のみんなも先生たちも私たちカップルのことを知っていたので、誰かに見られたところで今更恥ずかしいということはない。
「来年は同じクラスになりたい」
「でも、先生たちが俺らのこと知ってるから無理だよ」
「どうして?」
「だって、カップルは離れさせるのが普通でしょ」
「それって勉強に支障が出るから?」
「そうじゃね?」
私も彼も共に文系であり、同じクラスになる可能性が0ではないことは承知の上だ。しかし彼の言う通り、先生たちは私たちカップルのことを知っているからあえてクラスを別々にしたに違いない。なんてったって、私たちの学校は進学校でほとんどの人が大学へと進学するべく勉強に励んでいる。しかも来年は受験生。どう考えたってクラスは別になるだろう。
「そっか。まあでも離れても変わんないもんね」
「そうだな」
変わらない。私の彼への気持ちは変わらない。それどころか、月日を重ねるにつれ日に日に大きくなっている。彼も同じだろうか。
どうか同じでいてくれますように。
花火は私たちの目の前でバババンと咲き乱れる。人混みをかき分けて、人の少ないエリアで三角座りをして空を仰いだ。時折飛んでくる火の粉を、きゃあきゃあ言いながら避ける。二人で見る花火は特別で大切な思い出になった。
高校二年生の冬、別のクラスだった私たちは修学旅行の夜に部屋を抜け出して二人で会った。一年生の頃に比べるとクラスが離れたことで校内で二人きりになるのにかなり苦労した。もちろん、学年中のみんなも先生たちも私たちカップルのことを知っていたので、誰かに見られたところで今更恥ずかしいということはない。
「来年は同じクラスになりたい」
「でも、先生たちが俺らのこと知ってるから無理だよ」
「どうして?」
「だって、カップルは離れさせるのが普通でしょ」
「それって勉強に支障が出るから?」
「そうじゃね?」
私も彼も共に文系であり、同じクラスになる可能性が0ではないことは承知の上だ。しかし彼の言う通り、先生たちは私たちカップルのことを知っているからあえてクラスを別々にしたに違いない。なんてったって、私たちの学校は進学校でほとんどの人が大学へと進学するべく勉強に励んでいる。しかも来年は受験生。どう考えたってクラスは別になるだろう。
「そっか。まあでも離れても変わんないもんね」
「そうだな」
変わらない。私の彼への気持ちは変わらない。それどころか、月日を重ねるにつれ日に日に大きくなっている。彼も同じだろうか。
どうか同じでいてくれますように。