水面に映える日光のきらめき。

鼓水のこの笑顔は、そんな情景を思い起こしてしまう。
私が一番好きな、瑞々しく美しい光景のひとつを。

「さぁ、お日様が高くなる前にお洗濯物を干してしまいませんと。今日は暑くなりそうですね」

と、鼓水は袖をまくる。
現れた白い細腕が清らかで眩しい――ふと、その二の腕に釘付けになった。

痣、だろうか。
いや、それにしてはあまりにも生々しく見える。

火傷の痕のように。

私は思わずその腕を掴んだ。

「この焼き印は?」

突然のことに鼓水は目を見開き、そして当惑するように目を伏せた。
その様で直感する。
この痛々しく焼き付けられた痕は、鼓水にとって触れてほしくない過去なのだと。
つい口走ってしまった我が短慮を後悔したその時、鼓水が小さな声で答えた。

「これは幼少期に付けられた奴隷の証です」