それから数ヶ月が過ぎた。その後は忍坂姫は自分の宮に戻ったままで、そこに雄朝津間皇子が通うと言う形をとっていた。
雄朝津間皇子はここ最近、用事でずっと遠出していた為、彼女の宮には3週間ぶりに来ていた。
「雄朝津間皇子、本当に申し訳ありません。姫は今、外の草原の所にまた行ってまして……」
そう彼に説明したのは、彼女の母親の百師木姫だった。
「はぁー、そうなんですね。別に良いですよ。俺の方からちょっと行ってきます」
(折角3週間ぶりに会いに来たと言うのに、何で宮で待ってて来れないんだ!)
雄朝津間皇子は若干の苛立ちを覚えながらも、あの彼女がする事だからと半ば諦めの状態だった。
「では、俺はちょっと行ってきます」と言って、百師木姫に軽くお辞儀をしてから彼は向かう事にした。
それから彼が歩いていると、彼の目の前に1人の少女が現れた。
「あぁ、衣通姫、久しぶり。この宮に来ても君には何故か余り会わないね」
この娘は忍坂姫の妹の衣通姫で、今年で12歳になっていた。姉の忍坂姫と違って控えめでとても可愛らしい姫だった。
「まぁ、これは雄朝津間皇子。ご無沙汰しております。これから姉に会いに行かれるんですか?」
彼女は皇子にとても愛想良くして話しかけた。
「あぁ、何でもまた外に行っているみたいだ。君のお姉さんも君ぐらい従順でおしとやかだと良いんだけどね」
雄朝津間皇子は彼女にそう言うと、思わずその場でため息をついた。
多分こんな気苦労はこれから一生付いてまわるのであろう。
「皇子、それはまたご苦労様です」
そう言って彼女は少し笑った。
姉の忍坂姫と違い、妹の衣通姫はとても綺麗でおしとやかな姫と言う事で評判も良い。
なので父親の稚野毛皇子も、彼女の嫁ぎ先はそこまで心配はしていなかった。
「まぁ、もう諦めてるけどね。じゃあ俺はこのまま行ってくるよ」
そう言って皇子はその場を離れて行った。
そんな雄朝津間皇子の後ろ姿を、衣通姫はずっと見ていた。
「でもあんな素敵な皇子に選んで貰えて、お姉さまが本当に羨ましいわ」
彼女はふとそんな事を思いながら、彼を見ていた。
雄朝津間皇子はここ最近、用事でずっと遠出していた為、彼女の宮には3週間ぶりに来ていた。
「雄朝津間皇子、本当に申し訳ありません。姫は今、外の草原の所にまた行ってまして……」
そう彼に説明したのは、彼女の母親の百師木姫だった。
「はぁー、そうなんですね。別に良いですよ。俺の方からちょっと行ってきます」
(折角3週間ぶりに会いに来たと言うのに、何で宮で待ってて来れないんだ!)
雄朝津間皇子は若干の苛立ちを覚えながらも、あの彼女がする事だからと半ば諦めの状態だった。
「では、俺はちょっと行ってきます」と言って、百師木姫に軽くお辞儀をしてから彼は向かう事にした。
それから彼が歩いていると、彼の目の前に1人の少女が現れた。
「あぁ、衣通姫、久しぶり。この宮に来ても君には何故か余り会わないね」
この娘は忍坂姫の妹の衣通姫で、今年で12歳になっていた。姉の忍坂姫と違って控えめでとても可愛らしい姫だった。
「まぁ、これは雄朝津間皇子。ご無沙汰しております。これから姉に会いに行かれるんですか?」
彼女は皇子にとても愛想良くして話しかけた。
「あぁ、何でもまた外に行っているみたいだ。君のお姉さんも君ぐらい従順でおしとやかだと良いんだけどね」
雄朝津間皇子は彼女にそう言うと、思わずその場でため息をついた。
多分こんな気苦労はこれから一生付いてまわるのであろう。
「皇子、それはまたご苦労様です」
そう言って彼女は少し笑った。
姉の忍坂姫と違い、妹の衣通姫はとても綺麗でおしとやかな姫と言う事で評判も良い。
なので父親の稚野毛皇子も、彼女の嫁ぎ先はそこまで心配はしていなかった。
「まぁ、もう諦めてるけどね。じゃあ俺はこのまま行ってくるよ」
そう言って皇子はその場を離れて行った。
そんな雄朝津間皇子の後ろ姿を、衣通姫はずっと見ていた。
「でもあんな素敵な皇子に選んで貰えて、お姉さまが本当に羨ましいわ」
彼女はふとそんな事を思いながら、彼を見ていた。