それから数日して、雄朝津間皇子はやっとの事で、自分の宮に戻って来た。
忍坂姫がこの宮に来て、そろそろ1ヶ月が経とうとしていた。
彼女との婚姻問題をどうするのか、話さないといけないと思っていた。
そして宮に付くと、使用人に忍坂姫が何処にいるか聞く事にした。
すると使用人から思いもよらない答えが帰って来た。
「え、忍坂姫なら、先日ご自身の宮に戻られましたよ」
(え、自分の宮に戻った!?)
それを聞いた彼は一瞬何が起こったのか分からず、頭が回らなかった。
「え、雄朝津間皇子は知らなかったんですか?てっきりこの話しは既にご存知と思ってました」
「そ、そんな話し、俺は聞いていない!」
雄朝津間皇子はそれから慌てて、伊代乃の元へ行った。彼女なら忍坂姫がどうして自分の宮に帰ったのか聞いている筈だと思ったからだ。
そして彼は伊代乃を見つけた。
「伊代乃、ちょっと教えて欲しい。忍坂姫が自分の宮に帰ったと言うのは本当か?」
それを聞いた伊代乃はとても驚いた表情をしていた。
「え、皇子。何も聞いてないんですか?今回の婚姻は忍坂姫が辞退したので、それで自身の宮に帰ると。てっきりこの件は皇子もご存じだとばかり……」
それを聞いた彼は凄い衝撃を受けた。彼女が自分との婚姻を辞退し、しかもその事を自分には全く言わずにだ。
「辞退って、それは誰に言ったんだ!」
「はい、先日丹比柴籬宮に行かれた際に、瑞歯別大王に話したと。皇子も行かれていたので、そこで聞いてるとばかり思ってました」
(何だって!兄上はそんな事一言も言ってなかったぞ)
「元々今回の婚姻の話しは、双方が同意しないと決まらないと私も聞いてます。なので忍坂姫が辞退した時点で無効になるので、その辺が関係しているんでしょうか?」
それを聞いて雄朝津間皇子は思った。
(もしかして、彼女はそんなに俺との婚姻が嫌だったのか……)
皇子は余りのショックに、それ以上は何も感情が出てこなかった。
「瑞歯別大王も、近々この宮に来ると別途聞いています。もし宜しければその時に大王に聞いてみられたらどうですか?」
(もう良い、この話しはこれ以上聞く気がしない)
「はぁー、もうどうでも良いよ。とりあえず俺は自分の部屋に戻る」
そう言って、彼は自分の部屋へと戻って行った。
忍坂姫がこの宮に来て、そろそろ1ヶ月が経とうとしていた。
彼女との婚姻問題をどうするのか、話さないといけないと思っていた。
そして宮に付くと、使用人に忍坂姫が何処にいるか聞く事にした。
すると使用人から思いもよらない答えが帰って来た。
「え、忍坂姫なら、先日ご自身の宮に戻られましたよ」
(え、自分の宮に戻った!?)
それを聞いた彼は一瞬何が起こったのか分からず、頭が回らなかった。
「え、雄朝津間皇子は知らなかったんですか?てっきりこの話しは既にご存知と思ってました」
「そ、そんな話し、俺は聞いていない!」
雄朝津間皇子はそれから慌てて、伊代乃の元へ行った。彼女なら忍坂姫がどうして自分の宮に帰ったのか聞いている筈だと思ったからだ。
そして彼は伊代乃を見つけた。
「伊代乃、ちょっと教えて欲しい。忍坂姫が自分の宮に帰ったと言うのは本当か?」
それを聞いた伊代乃はとても驚いた表情をしていた。
「え、皇子。何も聞いてないんですか?今回の婚姻は忍坂姫が辞退したので、それで自身の宮に帰ると。てっきりこの件は皇子もご存じだとばかり……」
それを聞いた彼は凄い衝撃を受けた。彼女が自分との婚姻を辞退し、しかもその事を自分には全く言わずにだ。
「辞退って、それは誰に言ったんだ!」
「はい、先日丹比柴籬宮に行かれた際に、瑞歯別大王に話したと。皇子も行かれていたので、そこで聞いてるとばかり思ってました」
(何だって!兄上はそんな事一言も言ってなかったぞ)
「元々今回の婚姻の話しは、双方が同意しないと決まらないと私も聞いてます。なので忍坂姫が辞退した時点で無効になるので、その辺が関係しているんでしょうか?」
それを聞いて雄朝津間皇子は思った。
(もしかして、彼女はそんなに俺との婚姻が嫌だったのか……)
皇子は余りのショックに、それ以上は何も感情が出てこなかった。
「瑞歯別大王も、近々この宮に来ると別途聞いています。もし宜しければその時に大王に聞いてみられたらどうですか?」
(もう良い、この話しはこれ以上聞く気がしない)
「はぁー、もうどうでも良いよ。とりあえず俺は自分の部屋に戻る」
そう言って、彼は自分の部屋へと戻って行った。