「それと佐由良、雄朝津間皇子の件はどうするんだ?」
(そうだ、雄朝津間皇子からも逃げる訳には行かない)
「雄朝津間皇子は私から見ても、とても優しく素敵な皇子です。でも私が好きなのは瑞歯別皇子ですし、雄朝津間皇子は私よりももっと素敵な女性が現れると思います」
「うん、佐由良それで良い」
伊莒弗も佐由良の考えに賛成した。
「それで、実はだな。今日その雄朝津間皇子がお前に会いにここに来るそうだ」
「え、雄朝津間皇子が!」
「きっとこの間の、お前を后にしたいって話しの事だろう」
(雄朝津間皇子がここに……)
「分かりました、お父様。私雄朝津間皇子にちゃんと自分の気持ちを話します」
こうして佐由良は、雄朝津間皇子と会う事になった。
そして暫くして、雄朝津間皇子が佐由良の元にやって来た。
雄朝津間皇子に会うと、彼は思いの外穏やかそうにしていた。
「佐由良久しぶり」
「雄朝津間皇子、お久しぶりです」
彼女も笑顔で答えた。
「てっきり、もっと暗い感じかと思っていたけど。何か元気そうだね」
「はい、お陰様で」
佐由良は皇子にそう答えた。彼が普段通りに話してくるので、彼女も内心とても安心した。
それから2人は、伊莒弗の配慮で彼の家を出て少し行った所で話す事にした。
「ここは初めて来たけど、とても居心地が良さそうだ」
雄朝津間皇子は周りの景色を見回した。
「はい、私も本当にそう思います。ここは私にとっても大事な所になりました」
そんな佐由良を雄朝津間皇子はとても愛おしいそうに見ていた。
そして暫くして、皇子が口を開いた。
「じゃあ、今日は単刀直入に言う。この間兄上の前で言った君を妃にしたいって話し、あれは本当だ」
(雄朝津間皇子……)
「君を絶対に幸せにする。どうか俺の妃になって貰えないか」
(雄朝津間皇子、もうその答えはもう出てるの。)
「雄朝津間皇子、皇子は私からみてもとても素敵な方です。私には勿体無いくらいに。でも、ごめんなさい。私は皇子の妃にはなれません。私が好きなのは瑞歯別皇子なんです」
その瞬間、一瞬の沈黙があった。
そんな彼女の返事を聞いて、彼は答えた。
「はぁー、やっぱり佐由良の心は決まってたんだね。今日最初に会った時そうじゃないかと思ったよ」
「雄朝津間皇子?」
「それでもやっぱり、自分の気持ちを君に言っておきたかったんだ」
「皇子、私なんかの為に。本当にごめんなさい」
佐由良は深々と頭を下げた。
「別に良いよ、覚悟はしてたから。それより佐由良顔を上げてくれる」
そう皇子に言われて、佐由良は顔を上げた。
「それなら、何が何でも兄様を諦めないでよ。約束だ」
「はい、皇子」
それを聞いた雄朝津間皇子は微笑んだ。
「じゃあ、俺は行くね」
そう言って、雄朝津間皇子はその場を離れて行った。
(そうだ、雄朝津間皇子からも逃げる訳には行かない)
「雄朝津間皇子は私から見ても、とても優しく素敵な皇子です。でも私が好きなのは瑞歯別皇子ですし、雄朝津間皇子は私よりももっと素敵な女性が現れると思います」
「うん、佐由良それで良い」
伊莒弗も佐由良の考えに賛成した。
「それで、実はだな。今日その雄朝津間皇子がお前に会いにここに来るそうだ」
「え、雄朝津間皇子が!」
「きっとこの間の、お前を后にしたいって話しの事だろう」
(雄朝津間皇子がここに……)
「分かりました、お父様。私雄朝津間皇子にちゃんと自分の気持ちを話します」
こうして佐由良は、雄朝津間皇子と会う事になった。
そして暫くして、雄朝津間皇子が佐由良の元にやって来た。
雄朝津間皇子に会うと、彼は思いの外穏やかそうにしていた。
「佐由良久しぶり」
「雄朝津間皇子、お久しぶりです」
彼女も笑顔で答えた。
「てっきり、もっと暗い感じかと思っていたけど。何か元気そうだね」
「はい、お陰様で」
佐由良は皇子にそう答えた。彼が普段通りに話してくるので、彼女も内心とても安心した。
それから2人は、伊莒弗の配慮で彼の家を出て少し行った所で話す事にした。
「ここは初めて来たけど、とても居心地が良さそうだ」
雄朝津間皇子は周りの景色を見回した。
「はい、私も本当にそう思います。ここは私にとっても大事な所になりました」
そんな佐由良を雄朝津間皇子はとても愛おしいそうに見ていた。
そして暫くして、皇子が口を開いた。
「じゃあ、今日は単刀直入に言う。この間兄上の前で言った君を妃にしたいって話し、あれは本当だ」
(雄朝津間皇子……)
「君を絶対に幸せにする。どうか俺の妃になって貰えないか」
(雄朝津間皇子、もうその答えはもう出てるの。)
「雄朝津間皇子、皇子は私からみてもとても素敵な方です。私には勿体無いくらいに。でも、ごめんなさい。私は皇子の妃にはなれません。私が好きなのは瑞歯別皇子なんです」
その瞬間、一瞬の沈黙があった。
そんな彼女の返事を聞いて、彼は答えた。
「はぁー、やっぱり佐由良の心は決まってたんだね。今日最初に会った時そうじゃないかと思ったよ」
「雄朝津間皇子?」
「それでもやっぱり、自分の気持ちを君に言っておきたかったんだ」
「皇子、私なんかの為に。本当にごめんなさい」
佐由良は深々と頭を下げた。
「別に良いよ、覚悟はしてたから。それより佐由良顔を上げてくれる」
そう皇子に言われて、佐由良は顔を上げた。
「それなら、何が何でも兄様を諦めないでよ。約束だ」
「はい、皇子」
それを聞いた雄朝津間皇子は微笑んだ。
「じゃあ、俺は行くね」
そう言って、雄朝津間皇子はその場を離れて行った。