以前とは、前に葛城の嵯多彦がやって来た時の事だ。あの出来事は、皇子自身今でも鮮明に覚えている。
(あの時の事は、今思い返しても本当に腹が立ってくる……)
「とにかく、これから見張りをしっかりと強化しろ。何かあれば直ぐに俺に知らせるように」
「皇子承知しました」
家臣の1人が代表して答えた。
「この宮から1人も娘が拐われないよう、十分に見張りを強化します」
(あとはその犯人をどうやって捕まえるかだな。誰かをおとりにする訳にも行かないだろうから)
(あの時の事は、今思い返しても本当に腹が立ってくる……)
「とにかく、これから見張りをしっかりと強化しろ。何かあれば直ぐに俺に知らせるように」
「皇子承知しました」
家臣の1人が代表して答えた。
「この宮から1人も娘が拐われないよう、十分に見張りを強化します」
(あとはその犯人をどうやって捕まえるかだな。誰かをおとりにする訳にも行かないだろうから)