それを聞いた佐由良はとても熱い思いを抱いた。

(何か途中の所は、ちょっと恥ずかしいけど、でも皇子は私を大事にしてくれてる)

(はぁー、どうしてこんな事まで話さないたいけないんだ)

 2人してそのまま、しばらく次の言葉が出てこずにいた。


 それからしばらくして、佐由良が口を開いた。

「とりあえず、皇子の気持ちは良く分かりました。もしかしたら今後私に飽きて、妃も別の人になるんじゃないかと心配もしてました。
 瑞歯別皇子(みずはわけのおうじ)は大和の皇子ですし、そんな人を支えていけるのかと少しだけ不安もあったので」

 それを聞いた瑞歯別皇子は、彼女に対して凄い真剣な目で言った。

「佐由良、これは前にも言ったよな。俺は自分が皇子とかそんなのは関係ないって。そんな事は抜きにして、お前だから一緒になりたいと思ったんだ。だからお前も、俺を皇子としてではなく、1人の男として見て欲しい。」

 それを聞いた佐由良はまた涙が溢れて来た。

「はい、分かりました。私皇子を信じます」

 それを聞いた皇子は、また再び彼女を抱き締めた。


「ところで佐由良、お前俺にここまで言わせたんだ。明日の朝まで一緒にいてもらうからな」

(へぇ?)

「皇子、私明日も仕事があるんです」

「大丈夫だ。明日はずっと俺の部屋で手伝い事をさせるとでも言っておく」

(皇子、そんなー!)

 そしてその日は、結局次の日の朝まで佐由良は皇子に付き合わされる事になった。