そしてその後休憩所で、釆女達が雑談をしていた。またその中には御津日売(みつひめ)も混じっていた。

 釆女達は、新しく来た御津日売に興味津々だった。

「ねぇ、御津日売。あなた凄い綺麗だし、体もふくよかで女性らしい。本当に羨ましいわ」

 釆女の1人が御津日売に言った。

「うふ、それはやっぱり女として生まれたからには、美しさはとても大事だと思うの。やっぱり男は、綺麗な顔とふくよかな体の女性を欲するでしょう」

「あぁーやっぱりそうなのね」

 それを聞いた釆女が応えた。

「それに日頃からちゃん努力しておかないと。そうしないと最初は良くても、そのうち相手に飽きられて捨てられるのが落ちよ」

 それを、少し離れた所で聞いていた佐由良はビクッとした。

(何もしてなかったら、そのうち飽きて捨てられる……そんな事考えてもなかった)

 御津日売はチラッと佐由良の方を見た。

(あら、結構真に受けたみたいね)

 その後も御津日売は、自信の話しや、男女間等の事など色々な話しをした。

 その場にいた釆女達も、その話しがかなり新鮮だった為、皆とても真剣に聞いていた。

(やっぱり瑞歯別皇子(みずはわけのおうじ)も、本当は私なんかよりも、もっと綺麗でふくよかな女性らしい体つきの人の方が良いのかな……)

 佐由良はとても憂鬱な気分でその話しを聞いてた。