「うむ、これでしっくりくる」
「透冴様……!」
「うん? 嫌か?」

肩越しから美しいお顔に覗き込まれ、火が出そうなくらい顔が火照ってうつむいてしまう。

「い……嫌ではないです、が……」

胸がどきどきして、壊れそうなのです……!

どくどくと脈打つ私の首筋を、透冴様の悩ましげな吐息が撫でた。

「実に不思議だ。鼓水とこうして肌を寄せ合っていると、心がとても穏やかになる」

私の腰に回っていた腕にそっと力が入り、肩に顎が預けられて、柔らかい銀髪が私の頬をくすぐった。

甘えるようなその動きに不思議と心も凪ぐ。
寄り添うように、私も身体を透冴様に預けた。

伝わってきたのは、温もりと鼓動。
私の内からも温かい感情が湧き出てくる。