涙が零れてしまわないように目を閉じて笑うと、

「……んっ」

唇が柔らかく啄まれた。
驚いて目を開けると、熱を宿した美しい青い瞳と見つめ合った。

「甘露だな、おまえの唇は。何度しても飽き足りぬ」

そうして再び口付けを落とし、透冴様はそっと囁いた。

「おまえに出会わなければ、こんな気持ちになることはなかった。この気持ちを、おまえ達は何と言うか、知っているぞ」

透冴様は、零れんばかりの笑顔を浮かべた。

「『幸せ』と言うのだろう」

私も笑って大きく頷いた。

「はい、さようでございます!」

美しき龍神様。
あなたが幸せなら、私は天が一の幸福者です。