「立っていないで、おまえもひなたぼっこするかい? 鼓水(つづみ)」

相変わらずぼうっと見惚れていると、透冴様が声を掛けてくださった。

「は、はい! では……!」

恐る恐る腰かけたのは、透冴様から二人分ほど空けた隣。
うっかり近付いたら、その神々しい美しさに中てられ気絶しちゃいそう――

「何故そう離れる。もっとこっちへおいで」

けれども、透冴様は手招きする。

「は、はい……」

ずりずり、と寄せる。

「……もっとだよ?」
「はい……」

ずりずり。

「もっと」
「え、でも……」
「もっと」
「はぃ……」

ずりずり。
ぴと。

ついに透冴様のお袖に身体がついてしまった……。

ううん、お召し物から良い香りが……。
天界で作られる香は一味違ってとっても尊い香り……。

「ふぅむ」

陶酔している私の横で、透冴様が意味深にうなった。

「え、ええ!?」

かと思うと、ふわりと身体が浮いて、お尻に温もりを感じた。

透冴様が私を持ち上げて、お膝の上に乗せてしまったのだ……!