「あの娘といると、毎日が新鮮で新しい発見に満ちている。探求心が疼いてくるんだ。鼓水のことは興味深く、面白い娘と思っている」

やっぱり、違うんだ……。

ずきり、と胸が痛んだ。

透冴様にとって、私は興味深い人間、新しい体験をさせてくれる存在としか思われていないんだ。

透冴様と私には、二人だけの絆があるのだと思っていたけれど、それは全部、私の――。

堪らず、盆を置いて、駆け出してしまった。