お酒を飲み始めてからも透冴様は私を同席させようとしたけれど、私は固辞した。
ご兄弟のお邪魔をするのも気が引けたし、何より弟君――燿興(ようこう)様の「おまえは来るな」という露骨な冷視線が辛かったからだ……。

そうよね……。

人間ごときが神のおそばになど、恐れ多いことだわ。

透冴様は私とのことを天界にも報告していないどころか、ご兄弟にも内緒にしていた。
きっと、簡単には打ち明けられないことだからなのだろう。

もしかしたら、神が人間の女を伴侶にすることは、禁忌に近い行いなのかもしれない。

だとしたら、透冴様のお立場は……。