放課後。

生徒達は教室を掃除していた。
と言っても、実際手を動かすのは使役霊達で、生徒達は使役霊達に霊力を与えながら見張っているだけだった。

「ねぇ皆さん、この後、鬼鎮祭の打ち合わせを行いたいのだけれど」

そこへ、よく通る高い声が響いた。
宙を始め、クラスメートが一斉に振り向くような高慢さに満ちた言葉を発したのは、この地域有数の名家の令嬢だった。

土位世璃瑠(つちい せりる)。

歴史、財力、そして霊力ともに抜きんでている土位家の一人娘で、世璃瑠自身も高い霊力を備えていて、この学校の女王様のような存在だった。