「武水様、どうか誤解なさらないで。そもそもの元凶はあの宙。鬼を封印から解いたのはあの女だったんです。それを無責任にも逃げ出して野放しになっていた鬼をわたくしが致し方なく一時的に使役しただけなのです」
「……なるほど、そういうわけだったのか。通りで鬼の解放に気付けなかったわけだ」

武水は変わらずいつもの微笑を浮かべ世璃瑠を見つめた。

「使役された妖の霊気は、主の霊気とひとつになってしまう。野放しになっていればすぐに鬼の霊気に気付けて、再び封印できたかもしれなかったが、君という蓑を使って巧く隠れてしまったわけだ。やってくれたね。まんまと鬼に利用されたというわけか」
「え……?」
「君は自分が本当に鬼を使役できるに足る能力者だと思っていたのかい? 君のような三流の家の凡人が」

微笑を浮かべながら辛辣な言葉を向けられ、世璃瑠は茫然となった。
愉快そうに鬼が割り込む。