「いよいよ明日ね、鬼鎮祭」
「お待ちかねの『巫女』はいったい誰になるのかしら?」
「もちろん、世璃瑠様に決まっているでしょ?」
開催を明日に控え、学校では鬼鎮祭のことでもちきりだった。
「ねぇ世璃瑠様、もしかしてもう内密に巫女のお話がいっているんでしょう?」
「そうに決まっているわ。だって世璃瑠様の家は諏訪家に並ぶ名家ですもの」
「お待ちになって、皆さん。そんな勝手な憶測をされても困るわ」
と、かぶりを振るものの、世璃瑠の顔は綻んでいた。
「確かにわたくしは家柄、霊力、容姿ともに資格は十分備えておりますけれども、選ぶのは武水様ですもの」