「やはりお前は諏訪家の力によって長く封印されていたようね。白龍の力を宿した諏訪家の霊力は絶対。何かのきっかけで封印から解かれたとはいえ、その弱りきった力でこのわたくしに敵うはずがないわ」
「やめろ……人間……!」

悶え、膝を崩す鬼を見下ろして、世璃瑠はにんまりと笑った。

「では鬼よ、今よりわたくしに使役され従うと誓うのなら、お前はわたくしの霊力の付与のもと、再びこの世に生きることを許そう」
「いけません世璃瑠様。鬼を使役するなど無謀としか」
「お前は黙っていなさい、妖狐! さぁ鬼よ、わたくしと契約を交わすか」
「わかった、誓おう」

こうして、世璃瑠と鬼は契約を結んだ。
鬼は跪き、意気揚々の世璃瑠に誓い立てた。

下を向いて見えないその顔に、邪悪な笑みを浮かべながら――。