バチッ!
火花が散るような音がしたと思ったら、宙と鬼の間に爆ぜるような衝撃が起きた。
「きゃっ!」
宙は思わず顔の前に腕を添える。
鬼はその手首を掴んで強く引き寄せた。
「なんだこれは?」
鬼は目をすがめ、忌々し気に口端を歪ませた。
白い牙が見えて、恐ろしい。
鬼が睨んでいるのは、宙がしていた腕飾りだった。
勾玉を中心に水晶で作られた、なんの変哲もない装飾品だ。
「臭うな」
「え?」
「あいつの臭いが、ぷんぷんする」
腕輪は宙が幼い頃からしていた物だった。
幼馴染の武水――白龍神社の当主、諏訪武水から貰ったのだ。
宙を守護するお守りとして――。
「なるほど、こいつのせいか。目障りだな」
鬼は意味深に独り言ちると腕飾りを引き千切ろうとしたが、不思議なことに、鬼の力でもってもびくともしない。
むしろ、腕飾りに触れている鬼の指先の方が、火に触れたかのように爛れ始める――。
火花が散るような音がしたと思ったら、宙と鬼の間に爆ぜるような衝撃が起きた。
「きゃっ!」
宙は思わず顔の前に腕を添える。
鬼はその手首を掴んで強く引き寄せた。
「なんだこれは?」
鬼は目をすがめ、忌々し気に口端を歪ませた。
白い牙が見えて、恐ろしい。
鬼が睨んでいるのは、宙がしていた腕飾りだった。
勾玉を中心に水晶で作られた、なんの変哲もない装飾品だ。
「臭うな」
「え?」
「あいつの臭いが、ぷんぷんする」
腕輪は宙が幼い頃からしていた物だった。
幼馴染の武水――白龍神社の当主、諏訪武水から貰ったのだ。
宙を守護するお守りとして――。
「なるほど、こいつのせいか。目障りだな」
鬼は意味深に独り言ちると腕飾りを引き千切ろうとしたが、不思議なことに、鬼の力でもってもびくともしない。
むしろ、腕飾りに触れている鬼の指先の方が、火に触れたかのように爛れ始める――。