それ以来、宙の一族は霊力を失ってしまい、それが現在にまで続いているのである。
当主家の使用人が厳しいのも、宙の家が罪人の家だからというのもあった。

どういう罪を犯したのか。
何故犯してしまったのか。

問うても、父は宙に何ひとつ教えてくれなかった。
訊くといつも『そんな大昔のことにこだわっても仕方がない。使役霊がいなくても胸を張って一生懸命に生きていければ人間は幸せなんだ』と、諭してきた。
父の教えは好きだった。
けれど、いつもはぐらかされているような気はしていた。

(私の一族に、いったい何があったんだろう――)

ずくん。

不意に、胸が疼いた。