いつもは町外れにある宙の家に向かう帰路だったけれど、今日は諏訪家に寄るので、いつもと違う道を行く。

帰宅中の生徒で賑わう商店街を通り過ぎると、町を縦断する河が見えてくる。
それに架かる橋に通じる大通り沿いに、雪が生前住んでいた家――老婆の家があった。
今は誰も住んでいないが、空き家となって残っていた。

老婆は死後、しばらく発見が遅れた。
滞った支払いのために業者が訪れて、やっと気付いてもらえたのだという。