本当はサプライズでプレゼントする予定だったけど、禄へのプレゼントということは隠してもう言っちゃおうかな。
「うん、禄と一緒にいたら、私もゲーム作ってみたいなーなんて思ってさ」
「えー、そうなんだ」
禄は意外そうな顔をするだけで、それ以上質問はしてこなかったけど、でも少し嬉しそうにしている。
同じことに興味を持ったことが嬉しいのかな?
禄は意外と分かりやすい性格をしていることを、最近知った。
「じゃあ、選択ゲームでこんな機能あったらテンション上がるとか、ある?」
「うーん、ベタだけど隠しコマンド見つけたときとか?」
「なるほど、隠しコマンドね!」
私は頭の中に忘れないようメモを残す。
そうこうしている間に日暮里駅に到着して、私たちは降車する。
秋の夜はもうすっかり寒くて、週ごとに気候が変わることには相変わらず慣れない。
「青花、今日もコンビニ寄るの?」
「うん、寄る。禄も一緒に寄ろうよ。お腹空いたー!」
「いいよ」
人が行き交う駅内を出ると、私たちはいつも通り夕焼けだんだんの方角を目指した。
すっかりコンビニで買い食いするキャラにしているけれど、本当はコンビニで買いたいものなんか毎回はないし、お腹も今はそんなに空いてない。
ていうか、コンビニなんてもっと家の近くにあるし。
そのことにきっと、禄は全然気づいていないどころか、律儀に階段手前まで送ってくれる。
『谷中ぎんざ』の看板が近づいてくるのを見ると、少し胸が切なくなる。もう禄とバイバイしなきゃって思うから。
ああ、禄と次に会えるのは、冬なんだ。
三ヶ月後の禄は、もう受験を意識したりしてるのかな。
もしかしたら、文化祭マジックとやらで、交友関係が増えているかもしれない。
屋台回ったり、イベントを見にいったり、お化け屋敷に入ったりして、私が知らない間に、違う世界を広げているかもしれない。
そう思うと、胸が張り裂けそうになる。
階段上で立ち止まっている私を見て、禄が少し心配そうに首を傾げた。
禄の長い前髪がサラッと横に流れて、一重の瞳と目が合う。
私だけを見てくれているその瞳に射貫かれた瞬間、思わず本音が口から出てしまった。
「私も文化祭、禄と一緒に出たい」
「え……」
「あと一日、〝今〟を過ごしたい!」
こんなこと、禄に言っても仕方ないのに。
「うん、禄と一緒にいたら、私もゲーム作ってみたいなーなんて思ってさ」
「えー、そうなんだ」
禄は意外そうな顔をするだけで、それ以上質問はしてこなかったけど、でも少し嬉しそうにしている。
同じことに興味を持ったことが嬉しいのかな?
禄は意外と分かりやすい性格をしていることを、最近知った。
「じゃあ、選択ゲームでこんな機能あったらテンション上がるとか、ある?」
「うーん、ベタだけど隠しコマンド見つけたときとか?」
「なるほど、隠しコマンドね!」
私は頭の中に忘れないようメモを残す。
そうこうしている間に日暮里駅に到着して、私たちは降車する。
秋の夜はもうすっかり寒くて、週ごとに気候が変わることには相変わらず慣れない。
「青花、今日もコンビニ寄るの?」
「うん、寄る。禄も一緒に寄ろうよ。お腹空いたー!」
「いいよ」
人が行き交う駅内を出ると、私たちはいつも通り夕焼けだんだんの方角を目指した。
すっかりコンビニで買い食いするキャラにしているけれど、本当はコンビニで買いたいものなんか毎回はないし、お腹も今はそんなに空いてない。
ていうか、コンビニなんてもっと家の近くにあるし。
そのことにきっと、禄は全然気づいていないどころか、律儀に階段手前まで送ってくれる。
『谷中ぎんざ』の看板が近づいてくるのを見ると、少し胸が切なくなる。もう禄とバイバイしなきゃって思うから。
ああ、禄と次に会えるのは、冬なんだ。
三ヶ月後の禄は、もう受験を意識したりしてるのかな。
もしかしたら、文化祭マジックとやらで、交友関係が増えているかもしれない。
屋台回ったり、イベントを見にいったり、お化け屋敷に入ったりして、私が知らない間に、違う世界を広げているかもしれない。
そう思うと、胸が張り裂けそうになる。
階段上で立ち止まっている私を見て、禄が少し心配そうに首を傾げた。
禄の長い前髪がサラッと横に流れて、一重の瞳と目が合う。
私だけを見てくれているその瞳に射貫かれた瞬間、思わず本音が口から出てしまった。
「私も文化祭、禄と一緒に出たい」
「え……」
「あと一日、〝今〟を過ごしたい!」
こんなこと、禄に言っても仕方ないのに。