商店街に向かう親子が何組も俺の横を通り過ぎていく。
 俺はしばらくその場から動けないまま、彼女の世界ではどんな風に時間が流れているのかを考えていた。

 週明けいつものように登校すると、当たり前のように鶴咲は教室にいなかった。
 眠り姫なんて言って囃し立てていた癖に、彼女がいなくてもクラスメイトは一切何も変わらず、日常が、ただそこに広がっているだけだった。