最近まで自分の公式サイトに載せているだけだったが、フリーゲームのレビューサイトに掲載されてからは、少しだけアクセス数が増え、フリーゲームのランキングでは最高五位まで順位が上がった。けど、正直全くクオリティーに自信はない。
鶴咲がゲーム画面に食い入っている様子を、冷汗をかきながら見ていると、彼女は「すごい……」とぽつりとつぶやいた。
それから、本当に花のような笑顔で、心配そうな様子の俺に輝く瞳を向けた。
「これが神代君の〝夢〟なんだね」
「え……」
「こういう仄暗い世界観のゲーム、大好き! この一週間で全クリするわ!」
そんな風に言われるだなんて思ってもみなかったので、俺はお世辞だとしても舞い上がってしまった。
寝る間も惜しんで作った初めてのゲーム。愛着がない訳がない。
実力で知名度を上げたいと思ったから、ゲーム制作時のクリエイター名は〝師走〟ではなく、〝ROKU〟。本名だ。
いつか目の前で自分のゲームを楽しんでくれる人を見れたらと思っていたけれど、こんな早くに出会ってしまうとは。
嬉しくて何も言葉を発せない俺に、鶴咲は楽しげにリクエストする。
「次起きるときに、新作見せてよ。ていうか、ゲーム作ったら一番に私にやらせてよ」
その言葉に、俺は「できたらね」とつまらない回答をする。
それでも鶴咲は笑顔のままで、「約束だよ」と言ってきた。
……不思議な人だ。
今日会ったばかりだという事実を忘れてしまうほど、するすると心の中に強引に入り込んできて、俺の中のいろんな引き出しを開けてしまう。
人嫌いで根暗な俺が、誰かに秘密を打ち明けたことなど、今までなかったというのに。
そんなこんなで、俺たちはその日から、本当に毎放課後鶴咲の家に集まって、ゲームをする仲になった。
でも、校門で待ち合わせするのはやはり注目を浴びて恥ずかしいので、現地集合に変えた。
火曜、水曜、木曜……と時は過ぎ、一週間があっという間だと初めて感じる。
「ギャー、神代君! こっちもうキツい助けてー!」
「了解、近くにいるから向かうわ」
「弾が切れそうー!」
彼女は本当に根っからのゲーマーで、スキルはそこそこでも心からゲームを楽しんでいた。
普段話す相手がいないせいで、俺も心のどこかでそんな毎日が少しだけ楽しく思えるようになる。
鶴咲がゲーム画面に食い入っている様子を、冷汗をかきながら見ていると、彼女は「すごい……」とぽつりとつぶやいた。
それから、本当に花のような笑顔で、心配そうな様子の俺に輝く瞳を向けた。
「これが神代君の〝夢〟なんだね」
「え……」
「こういう仄暗い世界観のゲーム、大好き! この一週間で全クリするわ!」
そんな風に言われるだなんて思ってもみなかったので、俺はお世辞だとしても舞い上がってしまった。
寝る間も惜しんで作った初めてのゲーム。愛着がない訳がない。
実力で知名度を上げたいと思ったから、ゲーム制作時のクリエイター名は〝師走〟ではなく、〝ROKU〟。本名だ。
いつか目の前で自分のゲームを楽しんでくれる人を見れたらと思っていたけれど、こんな早くに出会ってしまうとは。
嬉しくて何も言葉を発せない俺に、鶴咲は楽しげにリクエストする。
「次起きるときに、新作見せてよ。ていうか、ゲーム作ったら一番に私にやらせてよ」
その言葉に、俺は「できたらね」とつまらない回答をする。
それでも鶴咲は笑顔のままで、「約束だよ」と言ってきた。
……不思議な人だ。
今日会ったばかりだという事実を忘れてしまうほど、するすると心の中に強引に入り込んできて、俺の中のいろんな引き出しを開けてしまう。
人嫌いで根暗な俺が、誰かに秘密を打ち明けたことなど、今までなかったというのに。
そんなこんなで、俺たちはその日から、本当に毎放課後鶴咲の家に集まって、ゲームをする仲になった。
でも、校門で待ち合わせするのはやはり注目を浴びて恥ずかしいので、現地集合に変えた。
火曜、水曜、木曜……と時は過ぎ、一週間があっという間だと初めて感じる。
「ギャー、神代君! こっちもうキツい助けてー!」
「了解、近くにいるから向かうわ」
「弾が切れそうー!」
彼女は本当に根っからのゲーマーで、スキルはそこそこでも心からゲームを楽しんでいた。
普段話す相手がいないせいで、俺も心のどこかでそんな毎日が少しだけ楽しく思えるようになる。