美しい顔が至近距離に現れたことで頭が真っ白になりかけたので、俺はぐっと顔を横に向けて彼女のまっすぐな視線から逃げた。
それから、ぼそっと聞き取れないようなボリュームで答えをつぶやく。
「……たから……」
「え? なんて?」
「し、師走がゲーム作ったら面白そうって、言ってくれたから……」
なぜか恥ずかしい。きっと今、俺の顔は真っ赤になっているだろう。
ゲームを作る夢があることなんて、まだ誰にも打ち明けたことがないし、ましてやゲーム実況を始めたのはゲーム制作の資金調達のためだなんて言えない。
鶴咲はしばらくきょとんとしていたが、少し経ってハッとしたように質問してきた。
「もしかして、本当にゲーム作ってるってこと⁉ やらせて!」
「いや、全然認知度ないし、素人感丸出しの謎解きゲームをWEB上で無料で公開してるだけだから!」
「名前変えてやってるの? スマホでもできる?」
またぐっと顔を近づけてくる鶴咲。
俺が作っている謎解きゲームは、超シンプルなもの。シナリオだって素人感丸出しで、謎解き〝風〟でしかない。
「恥ずかしいから無理」と何度も必死に断るけれど、彼女は全く引き下がらない。
それどころか、脅すような口調でこんなことを言ってきた。
「特定するよ?」
「え……?」
「どんなゲームでも、イラストは必要だもんね。師走のアイコンのイラストを描いてる絵師さんをまず辿って……」
「うわー! ちょっと待って! 教えるから!」
本気で特定しそうな鶴咲の行動を、俺は慌てて言葉で止めた。
どうしてそこまでして知りたいと思ってくれるのかは謎だが、陰で特定されるくらいなら教えてしまった方がいいかもしれない。
俺は顔を赤らめながら、観念したようにゲームのタイトルをつぶやく。
「〝パソコンゲーム Immerse〟って検索してみて……」
「了解です! 少々お待ちをっ」
鶴咲は素早くパソコンで検索し、すぐにフリーゲームが集まっているサイトに辿り着く。
イマースは、少し前にようやく完成させた、俺の初めてのゲーム。
手作り感満載だけど、俺が行ってみたいと思う世界観をとにかく詰め込んだのだ。
ドット絵の顔のない少女が、毎晩見ている悪夢の中に入り込み、そこで謎解きをしていくという少しダークな内容で、かなり簡易的な2Dゲームだ。
それから、ぼそっと聞き取れないようなボリュームで答えをつぶやく。
「……たから……」
「え? なんて?」
「し、師走がゲーム作ったら面白そうって、言ってくれたから……」
なぜか恥ずかしい。きっと今、俺の顔は真っ赤になっているだろう。
ゲームを作る夢があることなんて、まだ誰にも打ち明けたことがないし、ましてやゲーム実況を始めたのはゲーム制作の資金調達のためだなんて言えない。
鶴咲はしばらくきょとんとしていたが、少し経ってハッとしたように質問してきた。
「もしかして、本当にゲーム作ってるってこと⁉ やらせて!」
「いや、全然認知度ないし、素人感丸出しの謎解きゲームをWEB上で無料で公開してるだけだから!」
「名前変えてやってるの? スマホでもできる?」
またぐっと顔を近づけてくる鶴咲。
俺が作っている謎解きゲームは、超シンプルなもの。シナリオだって素人感丸出しで、謎解き〝風〟でしかない。
「恥ずかしいから無理」と何度も必死に断るけれど、彼女は全く引き下がらない。
それどころか、脅すような口調でこんなことを言ってきた。
「特定するよ?」
「え……?」
「どんなゲームでも、イラストは必要だもんね。師走のアイコンのイラストを描いてる絵師さんをまず辿って……」
「うわー! ちょっと待って! 教えるから!」
本気で特定しそうな鶴咲の行動を、俺は慌てて言葉で止めた。
どうしてそこまでして知りたいと思ってくれるのかは謎だが、陰で特定されるくらいなら教えてしまった方がいいかもしれない。
俺は顔を赤らめながら、観念したようにゲームのタイトルをつぶやく。
「〝パソコンゲーム Immerse〟って検索してみて……」
「了解です! 少々お待ちをっ」
鶴咲は素早くパソコンで検索し、すぐにフリーゲームが集まっているサイトに辿り着く。
イマースは、少し前にようやく完成させた、俺の初めてのゲーム。
手作り感満載だけど、俺が行ってみたいと思う世界観をとにかく詰め込んだのだ。
ドット絵の顔のない少女が、毎晩見ている悪夢の中に入り込み、そこで謎解きをしていくという少しダークな内容で、かなり簡易的な2Dゲームだ。