私が尋ねると、樹さんは少し考え込んでから
「昔、ちょっと……」
とだけ言った。
(何か、あったのだろうか?)
くらいは、さすがに私でも察することはできる。
(ハワイの話題はここで切り上げるべきだ……)
そう思った私は立ちあがろうとした。
いい加減、お茶のお代わりも用意しなければならないし。
だけど、樹さんがすかさず私の手首を掴んだ。
「樹さん……?」
樹さんは、ほんの少し間を空けてから
「優花は……ハワイ、行きたい?」
と聞いてきた。
「急に、どうしたんですか?」
「優花、ハワイの映像、涎垂らしそうな顔で見ていたから」
「よっ!?」
私は急いで口周りを拭いた。
「違う違う、そう言う風に見えただけだから」
「……からかわないでくださいよ」
「ごめん。でもさ……どう?ハワイ……行きたい?」
「そりゃあ……行けるなら……」
私の実家は、そこまで裕福とは言えない。
だから、家族旅行はせいぜい国内の温泉がいいところ。
友人がハワイに行ったのが羨ましくて、1度だけ行きたいと母に駄々をこねたこともあったが
「ハワイなんて、ハネムーンで行くところ!将来の旦那様に連れていって貰いなさい!」
と突っぱねられた。
ちなみにうちの両親のハネムーン先こそがハワイで、そこで私ができたらしい。
そこまでを樹さんに話すと、また考え込んでしまった。
だけど私の手を、樹さんは離してくれない。
お茶のお代わりを作るのを諦めた私は、座って樹さんが話すのを待った。
そして数分後に
「特別な日を、ハワイにしよう」
と言ってきた。
「昔、ちょっと……」
とだけ言った。
(何か、あったのだろうか?)
くらいは、さすがに私でも察することはできる。
(ハワイの話題はここで切り上げるべきだ……)
そう思った私は立ちあがろうとした。
いい加減、お茶のお代わりも用意しなければならないし。
だけど、樹さんがすかさず私の手首を掴んだ。
「樹さん……?」
樹さんは、ほんの少し間を空けてから
「優花は……ハワイ、行きたい?」
と聞いてきた。
「急に、どうしたんですか?」
「優花、ハワイの映像、涎垂らしそうな顔で見ていたから」
「よっ!?」
私は急いで口周りを拭いた。
「違う違う、そう言う風に見えただけだから」
「……からかわないでくださいよ」
「ごめん。でもさ……どう?ハワイ……行きたい?」
「そりゃあ……行けるなら……」
私の実家は、そこまで裕福とは言えない。
だから、家族旅行はせいぜい国内の温泉がいいところ。
友人がハワイに行ったのが羨ましくて、1度だけ行きたいと母に駄々をこねたこともあったが
「ハワイなんて、ハネムーンで行くところ!将来の旦那様に連れていって貰いなさい!」
と突っぱねられた。
ちなみにうちの両親のハネムーン先こそがハワイで、そこで私ができたらしい。
そこまでを樹さんに話すと、また考え込んでしまった。
だけど私の手を、樹さんは離してくれない。
お茶のお代わりを作るのを諦めた私は、座って樹さんが話すのを待った。
そして数分後に
「特別な日を、ハワイにしよう」
と言ってきた。