斜め45度から撮影してみたり、あえて真上から撮影をしてみるなど、複数枚撮影をした後、私と氷室さんはそれぞれクリームソーダに口つけた。
私はくまさんで、氷室さんはパンダさん。
クールな表情で、パンダさんをうまくよけながらソーダ水を飲んでいるのが、少し面白い。
(やっぱり、これで良かったんだ……)
もし違っていても、これなら変に気遣われることもない。
婚活やった頃に少し読んだ、プライドが高い男性とのデートのコツが、まさかこんなところで役立つなんて思わなかった。
当時は無駄だ、と思っていたものが、後になって生きるなんて、人生は何があるか分からない。
(どうせなら……こういう男性ともう2度と喫茶店になんてこないだろうし……)
私は、思い切って気になる事を色々聞いてみよう、と思た。
「氷室さんは、甘いもの……お好きなんですか?」
「……変ですかね」
「何故そう思うんです?」
「……女性の方々は、俺が甘いものを食べることに違和感を感じるみたいで……」
「……確かに氷室さん、意識高い系の食事してそう。医者だし」
「職業も関係あるんですか?」
「イメージの押し付けじゃないですか?あとはゲームとか漫画でのキャラ付けとか。でも氷室さんのような男性が甘いもの好きだなんて、ギャップ萌えでいいと思いますけど」
「ギャップ萌えとは?」
「それはですね……」
このようにして、私と氷室さんは、いつのまにかソーダ水が氷まで溶けてしまうまで、たわいもないおしゃべりを楽しんだ。
「そういえば、先ほどの写真はどうするんですか?」
氷室さんが写真のことを聞いてきたので
「見ます?」
と聞きながら、私はスマホに自分のSNSの画面に表示させて、氷室さんに見せた。
「こんな風にSNSに投稿する予定です」
「そうなんですか……」
まじまじと、不思議そうに画面を眺める氷室さんだったが、急に
「素敵ですね」
などと、聞く人によっては、爆弾にもなりうるセリフを吐いた。
「あ、ありがとうございます」
私は何事もない風に装ってはみたけれど、内心は
(別に自分の容姿とかが褒められたわけじゃないのに、何照れてんの!)
と、狼狽えていた。
「これは?」
氷室さんが、画面を指差すので、何かと思って見てみると、
とても可愛い、SNS映えを意識したカフェラテの写真だった。
「私の最寄駅にあるカフェなんですけど……メルヘンな雰囲気が人気なんですよね。私も気分転換にここでラテを飲みながら、読書することもあるんですよ」
「へえ……」
まじまじと、氷室さんが見ていた。
あまりにも真剣だったので、つい
「興味があるなら連れていきましょうか?」
などと言ってしまった。
でも……。
(なんてね。言ってみたかっただけだし……)
こういうのに興味があるからと言って、別に一緒に行きたい人がいる確率の方が圧倒的に高いだろう。
むしろその方が、今日の婚活を嫌がった理由も説明できる。
なので……。
「場所なんですけど……」
私は、自分のメモ帳に住所と行き方を書いて、それを氷室さんに渡そうとした。
ところが、またもやここで想定外が起きた。
「行きます」
「……へ?」
私はくまさんで、氷室さんはパンダさん。
クールな表情で、パンダさんをうまくよけながらソーダ水を飲んでいるのが、少し面白い。
(やっぱり、これで良かったんだ……)
もし違っていても、これなら変に気遣われることもない。
婚活やった頃に少し読んだ、プライドが高い男性とのデートのコツが、まさかこんなところで役立つなんて思わなかった。
当時は無駄だ、と思っていたものが、後になって生きるなんて、人生は何があるか分からない。
(どうせなら……こういう男性ともう2度と喫茶店になんてこないだろうし……)
私は、思い切って気になる事を色々聞いてみよう、と思た。
「氷室さんは、甘いもの……お好きなんですか?」
「……変ですかね」
「何故そう思うんです?」
「……女性の方々は、俺が甘いものを食べることに違和感を感じるみたいで……」
「……確かに氷室さん、意識高い系の食事してそう。医者だし」
「職業も関係あるんですか?」
「イメージの押し付けじゃないですか?あとはゲームとか漫画でのキャラ付けとか。でも氷室さんのような男性が甘いもの好きだなんて、ギャップ萌えでいいと思いますけど」
「ギャップ萌えとは?」
「それはですね……」
このようにして、私と氷室さんは、いつのまにかソーダ水が氷まで溶けてしまうまで、たわいもないおしゃべりを楽しんだ。
「そういえば、先ほどの写真はどうするんですか?」
氷室さんが写真のことを聞いてきたので
「見ます?」
と聞きながら、私はスマホに自分のSNSの画面に表示させて、氷室さんに見せた。
「こんな風にSNSに投稿する予定です」
「そうなんですか……」
まじまじと、不思議そうに画面を眺める氷室さんだったが、急に
「素敵ですね」
などと、聞く人によっては、爆弾にもなりうるセリフを吐いた。
「あ、ありがとうございます」
私は何事もない風に装ってはみたけれど、内心は
(別に自分の容姿とかが褒められたわけじゃないのに、何照れてんの!)
と、狼狽えていた。
「これは?」
氷室さんが、画面を指差すので、何かと思って見てみると、
とても可愛い、SNS映えを意識したカフェラテの写真だった。
「私の最寄駅にあるカフェなんですけど……メルヘンな雰囲気が人気なんですよね。私も気分転換にここでラテを飲みながら、読書することもあるんですよ」
「へえ……」
まじまじと、氷室さんが見ていた。
あまりにも真剣だったので、つい
「興味があるなら連れていきましょうか?」
などと言ってしまった。
でも……。
(なんてね。言ってみたかっただけだし……)
こういうのに興味があるからと言って、別に一緒に行きたい人がいる確率の方が圧倒的に高いだろう。
むしろその方が、今日の婚活を嫌がった理由も説明できる。
なので……。
「場所なんですけど……」
私は、自分のメモ帳に住所と行き方を書いて、それを氷室さんに渡そうとした。
ところが、またもやここで想定外が起きた。
「行きます」
「……へ?」