(やっぱり、帰ろうかな……佐野さんには悪いけど……)
私は今、六本木にある有名な高級タワーマンションのエントランスにいる。
現在の時刻は14時15分。
待ち合わせ予定時刻は14時。
相手は、佐野さん。
「私と一緒に、パーティーに行かない?」
それがあの、チャットツールでの誘いだった。
「差出人間違えていらっしゃいませんか?」
「とんでもない。間違いなく、森山さんに話しかけてるわよ」
「そうですか」
「文字だからって、もう少し人間味がある話し方をした方がいいわよ」
と何故か佐野さんからアドバイスをされる。
業務で使うチャットツールで人間味もないだろう、と思ったが、私は角を立てたくなかったので
「ご指導ありがとうございます」
とだけ返す。
そして、今度は数分の沈黙。
(これで終わりだろうか?)
与えられた業務に戻ろうとしたその時、また佐野さんからメッセージが送られてきた。
ある場所の地図と共に。
「どうしても森山さんといっしょじゃないと嫌なの。来週の日曜日の14時に、この場所に来て欲しい。お願い、森山さん助けて」
私は今、六本木にある有名な高級タワーマンションのエントランスにいる。
現在の時刻は14時15分。
待ち合わせ予定時刻は14時。
相手は、佐野さん。
「私と一緒に、パーティーに行かない?」
それがあの、チャットツールでの誘いだった。
「差出人間違えていらっしゃいませんか?」
「とんでもない。間違いなく、森山さんに話しかけてるわよ」
「そうですか」
「文字だからって、もう少し人間味がある話し方をした方がいいわよ」
と何故か佐野さんからアドバイスをされる。
業務で使うチャットツールで人間味もないだろう、と思ったが、私は角を立てたくなかったので
「ご指導ありがとうございます」
とだけ返す。
そして、今度は数分の沈黙。
(これで終わりだろうか?)
与えられた業務に戻ろうとしたその時、また佐野さんからメッセージが送られてきた。
ある場所の地図と共に。
「どうしても森山さんといっしょじゃないと嫌なの。来週の日曜日の14時に、この場所に来て欲しい。お願い、森山さん助けて」