ケビンさんから、色々な話を聞いた。
彼が若い頃、日本からの観光客としてハワイに訪れていた女性に一目惚れして、結婚することができたこと。
彼らの間にマオさんという名前の娘さんが生まれて、とても幸せだったということ。
彼の奥様は、マオさんが成人してすぐ、重い病にかかり、亡くなってしまったこと。
マオさんもまた、30代半ばで奥様と同じ病にかかり、41歳という年齢で亡くなってしまったこと。

そして、マオさんはずっと、ケビンさんを1人にしておくことを申し訳ないと思っており、命のタイムリミットが迫っていた中で、やむを得ず樹さんを利用せざるを得なかったこと。
マオさんがマナちゃんを産んだのも……41歳。
そしてマナちゃんのミドルネームは、マオさんの希望通り、彼の奥様の名前がつけられた……とのことだった。

話してもらった時間は、30分にも満たない。
だけど、ケビンさんの話は私を泣かせるのには十分だった。