会社でも、最近では「森山ママ」と頼ってくる男性もいるほど。年下年上関係なく。
そのため、少し昔よりはずっと、人との付き合い方は楽になっていた。
私は、頼られるのが嬉しかったので、

「ママに任せなさい」

と、彼らの頼みを、できる限り引き受けていた。
そうすると、彼らは私を必要としてくれるから。
でも、私を頼った男性達は、私ではない女性達と付き合い、結婚をしていく。
少し淡い思いを寄せかけた、1番仲良かった男性の正社員に聞いてみたこともあった。

彼はこう言った。

「彼女が、俺を頼ってくれるのが嬉しくて」

……皮肉だと思った。
人に必要とされないと仕事は手に入らない。
だから努力をした。

しかし一方で、必要とされるあまり、男性の必要とされたいという欲を満たすことからは遠ざかっていたということ。

私の存在は、彼らの仕事を楽にすることはあっても心を満たす事はできないのだと、知った。

男性に頼ってみる、ということを実践しようと思ったことはあった。
分からないことは
「分かりません、助けてください」
と言ってみることにした。

結果私は、WEBデザイナーという専門職の派遣を始めてから初めて、契約を更新されないという事態になった。

理由は
「分からないことをすぐに聞いてくる程無能だから」
だそうだ。

一体どうすれば良かったのか。