「大丈夫?」

マオが、俺に駆け寄ってきた。
それから

「もう寝る?」

と聞いてきたので、俺は頷いた。

「じゃあ、行きましょう」

とマオは俺を支えてゆっくりと立ち上がらせた。
ココナッツの甘い香りが、ふっと鼻に入ってきた。

この日の記憶はここまで。
次の記憶はというと、俺は自分のベッドで裸で寝ていたこと。
そして横には、下着姿のマオが横たわっていた。

ココナッツの香りが、自分の香りから微かにした。