優花は、テレビに写っているハワイの釘付けになっている。
行きたいか、と聞いたら

「行けるなら……」

と、遠慮がちに言ったが、特にハワイのスイーツ特集のコーナーで目を輝かせていたので、興味があることはしっかり伝わってきた。

(優花に、ハワイを見せたい)

ハワイは、俺の人生を変えた場所。
悪い意味でもだが、いい意味でも……だ。
あの時ハワイに行かなければ……もしかすると優花まで辿り着くことはできなかったかもしれない。
それくらい、俺を救ってくれた土地だ。
そしてあの子も、あの人もいる……。

自分勝手なのは……分かっている。
だけど……過去を全て懺悔した上で……優花に俺を選んで欲しい。
生涯を共にするパートナーとして。
もう、優花以外の女性を選ぶなんて、考えられない。

優花の誕生日はクリスマスイブ。
聖なる夜に、聖なる土地の力を借りて、俺は人生を賭ける覚悟を決めた。