「ご、ごめんなさい……!」

優花が、急にパニック状態になった。
無音だった室内に、急に想定外の音が流れたからだろう。

このまま進めていたら、俺は彼女の体を確実に奪っていただろう。
それくらい、自制が効かなくなっていた。
そんな自分の暴走を止めたのは……急に現れたハワイの海。

(……見られてる……のか?)

目に見えない何かの力を、俺は信じていなかった。
ただ……ハワイにいた過去、そういうものと触れる機会も多かったこともあり、完全に否定することはできないとも、思っていた。
だからだろう。
ハワイの海が、俺の行動を止めた事は、きっと意味がある。
お前には、その資格がないと……言われている気がした。

「今日は、これ以上はやめよう」

断腸の思いで優花の体から、そっと離れた。
それで、今の俺から優花を守ろうとした。
だけど困ったことに、

「だっ……だって……私の体が……その……」

と、優花は自分を責める。

……いつも、そうだ。
優花は、必ず何か起きると、自分のせいだと謝る。
それが、客観的に見て絶対に優花が悪くないとわかることでも。
せめて、この誤解だけはすぐに解きたい。
例え、

「俺は、君を早く抱きたいと思ってる」

どんなに恥ずかしい事を言ったとしても。