(嫌だ……)

どんなに取り繕うと思っても、言葉が出てこない。
それほどまで、拒絶したいと思う出来事。
相手の男から、優花の裸の記憶を消し去りたいと思った。
男と優花の細胞が混じり合った子供の存在も、考えただけで胃がムカムカしてくる。

俺が、優花にしているのはこういうことなんだ。
あの子のことは、もちろん可愛いと思っている。
だけどあの子は、優花が俺から離れる理由になりうる危険な存在だ。

あの子には申し訳ないが、俺はあの子のことを優花に隠し続けなくては、と思った。
自分勝手だと、分かっているけれど。


それ程までに俺はもう、優花に溺れている。