こんな奇跡みたいなことが起こるなんて……


今まで信じたこともなかったけど、案外神様っているのかもしれないわね。


そう考えて、もしかしたらあの声は神様の声だったのかもしれない、なんて……


前の私なら考えもしなかったことを思った。


今度こそ、あんなことにならないためにも、状況を整理しないと。


……いや、それよりもまずはお父様のところへ行かないといけないわね。


整理するのは後。


また無視される、そう思うとやっぱり気が重くなったけど、いつまでも部屋にいるわけにもいかない。


さっさと着替えて、部屋を出た。


目的地に着くと、トントンと扉を軽くノックしてから部屋に入る。


「おはようございます、お父様」 


「……」
 

一応挨拶をしたけど、いつも通りだわ。


何も返してくださらない。


お父様にとって、やっぱり私はどうでもいい存在なのね……


席に着くと、お父様が食べ始めたのを見た後で、私も黙々と食べ始めた。


こんな雰囲気の中、いつまでもここにいたくない。


「ミルフィー」


唐突に話しかけられたから、少し驚いた。


お父様から話しかけるなんて……