彼は、私の体を味わう。
その感覚が私の中がどんどん
海のように満ちてくる。

その感覚が
私は大好きだ。
だけど
赤ちゃんが
嫌がるかもしれない。

「羽奏……気持ちい……?」

彼は乳首を噛みながら
私に上目遣いで聞いてくる。
そんな彼を可愛いと思った。

あと数ヶ月したら
彼によく似た赤ちゃんが
私の胸を吸うのか。
そんなことを考えた時
私は何だか泣けてきた。

彼が音をたてて
私の乳首を愛する。
彼が愛した乳首で
私たちの子供が育つ。

動物の子作りは
そんなことをしない。
生物学ではきっと
これは違和感なのかもしれない。