「だめだ」

刀馬くんのこんな顔
私は知らない。
まるでナイフのように
私を傷つけるような顔。

「俺から離れるなんて、許さない」

彼は、その言葉で
私の体を麻痺させる。
彼の側から
私を離さないために。

彼は私の足を
無理やり開いた。

まだ、私の体は
彼を受け入れる準備はできていない。
心も。
体も。

「好きだ、羽奏……!」
「んっ……!!」

前までの私であれば
彼の激しさに喜びすら
感じただろう。
でも、今の私は違う。

どうしよう。
赤ちゃんが怖がっちゃう。

すでに私は
母親になっていたのだ。
彼のための
女ではなく。