「会いたい」
「どうして連絡をくれないの?」

彼からの、私を求めるメッセージが
届き続けている。
私はそれを見るたびに
まだ膨らんでもいないお腹に手をあてて
彼を想う。
でも、返事はできないでいた。

まだ私が何も知らなければ
きっと彼のメッセージを
素直に受け止め
会いに走っただろう。

だけど、私は知ってしまった。
私と彼は……
この国では愛し合うことが
認められない立場……らしいことを。

まだ、ちゃんとした検査をしていない。
だからまだ正式に彼と私が
きょうだいだとは限らない。

あの男が嘘をついている。
その可能性もあるのだから
嘘を証明することを
選べばいいのに、
逆に本当だと言われてしまったら
きっと私は立ち上がるどころか
意識を失い、目を覚ますことすら
難しくなると思ったから
私はまだ何も出来ずにいた。

それに……彼は
私が1番苦しい時に
私に寄り添ってはくれなかった。

そのことが
私の中でずっと引っかかっている。