「片桐さんところは
金払いがすげえ良かったからなぁ……
奮発してやったんだぜ」

片桐。
それは、刀馬くんや
刀馬くんの素敵な両親が持つ
彼らが家族だという証だ。
私も早く、その証を手に入れたいと
今日強く願った。

男は、剥き出しのあそこを
指差しながら、自慢げに言った。

「ほんとだったらなぁ
あの美人な奥さんの中に
思いっきり出してやりたかったけどな……
ほら。キモチイイ方が
着床しやすいっていうじゃん?」

気持ち悪いものを
ぷらぷら揺らしながら
男は私に近づいてくる。

怖い。
キモい。

「だけどよぉ……
あのゴリラが、絶対ダメって
言うわけ。そんなん、失敗する
確率が高くなるって俺が言っても
聞かねえの。
独占欲が強い男って
キモいと思わね?」

キモいのは
あんたの方だ。

「しょうがねえから
あいつらの気持ち悪い
合体見ながらシコるのが条件で
俺のこれ、あいつらにあげたってわけ」

目の前で男は
アレを擦って見せた。
出したばかりであろう
白いものが、ぽたりと床に落ちた。
キモい。

「あいつらは、あんなによがっても
興奮しても、ガキ一匹
できなかったってのによ。
俺のこれ、そのまま中に入れてやったら
すーぐできちゃったってわけ。
俺のこれ、すんげえ効果があるわけ。
ね、わかる?羽奏ちゃん」

男は、そのまま私の前に
しゃがみこんで
私の頬に触れようとした。
咄嗟に顔を逸らしたが
男はがっと両手で
私の顔を鷲掴みにした。
男の臭さで
目が痛くなった。

「でも、お前は刀馬と違って
俺に似てねえんだな。
あそこに転がってる豚女
瓜二つ。ははは。
せっかく刀馬と同じように
俺のすんげえ遺伝子
持ってるはずなのに……
お前、可哀想だな」

今、なんと言った?
この気持ち悪い男は。
刀馬くんと私が
同じ遺伝子を持ってる……だって?