おねがい、刀馬くん。
話したい。
あなたの声が聞きたい。
おねがい、早く返事ちょうだい。
母親の、獣のような気味が悪い声が
耳に突き刺さるの……。

私は両耳で塞ぎながら
スマホばかり見ている。
だけど
どんなの待っても
彼からの連絡が来てくれない。
ぎしぎしと、ベッドの軋む音が
まもなくあの瞬間がくることを
告げている。

2人の声が
本当に気持ち悪くて
仕方がない。
あんな声、刀馬くんの以外
聞きたくない。
耳をしっかり塞いでるはずなのに
どうして言葉が入ってくるのか
意味がわからない。

私は、もっと音を聞こえなくしようと
耳栓を作ろうと一瞬手を離した。
その時、聞こえてきた。

「また、僕の子供産んでくれるの?」