「じゃ」
「うん」

いつもと同じように
家の近くまで一緒に歩いて
そして分かれた。

きっと、この後も
いつもと同じように
メッセージで
何気ない雑談を
寝る間も惜しんで
繰り返すんだろうなと
当たり前のように
思っていた。

でもこの日
私にとっては
予想外の出来事が
さらに2つ起きてしまった。

1つ目。
いつもは1つの部屋しか
明るくない家が
何故か私が帰る前から
全部の部屋が
明るくなっていたこと。

そして2つ目がが……。

「おかえりなさい」

久しぶりに
ちゃんと顔を見た母が
私が知っているはずの
リビングでコーヒーを飲んでいた。
男の人と。