「私とパパ、すごく仲が良いでしょう?」

そうですね、と私が答えるべきか悩んでいると

「子供の前では自重してほしいよ」

と彼が助け舟を出してくれた。

「実はね、パパとの結婚……
ママの家族に大反対されていたのよ」
「え!?」
「だから、刀馬もママの家族には
会ったことないのよね」

彼が、その言葉にこくりと頷いた。

「まあ理由が、顔が気に入らないって
だけだったんだけど」

でも、顔って結構重要だと思う。
私も……顔が好きだと
彼のことを思ったのだから。

「だからね。パパと決めてたことがあるのよ。
もし、子供が生まれてくれて
子供がパートナーを連れてきたら
みんなで大切にしたいわねって」

彼の母親の言葉に、うんうんと頷く
彼の父親が、ゴリラの顔だからだろうか
余計に可愛いと思った。

「だからね、嬉しかったのよ。
あなたのような、とっても
可愛いお嬢さんを
刀馬が連れてきてくれたのが」
「そ、そんな……」

可愛いなんて。
私は自分の母親にすら
可愛いと言われたことはなくて
彼に言われたのが、初めてだった。
まさか、彼を産んでくれた母親からも
そんなことを言ってもらえるなんて……。

これは、夢だろうか?
自分にとって
都合が良すぎる夢を
見ているのだろうか?