部屋に帰ってすぐ、私は彼にメッセージを送ろうとスマホを見ると

「おかえり」

と、彼からメッセージが届いた。
私の、一瞬暗くなった気持ちが一気に明るくなった。
彼が、明るくしてくれた。

1つ屋根の下で生活するだけの人よりも
彼の方が、私が今欲しい言葉をくれる。

私には、声に出すよりもずっと、指で打つ

「ただいま」

の方が……幸せだった。

そして続けて私も、声ではほとんど言った事がない

「おかえり」

の4文字を送った。

「ただいま」

の文字がすぐに返ってきて、私は今すぐ彼にまた会いたくなってしまった。