「警察の人、どうして疑わなかったんだろう?」
「どういうこと?」

彼が不思議そうに聞いてくる。

「だって……刀馬くんはすっごく綺麗だけど、私は綺麗じゃないもん」
「……なんの話してるの?」
「……刀馬くんと、私がきょうだいなわけないじゃん……ってこと」

顔が全然違う。
髪も、私よりずっとサラサラで
頭もすっごく良い。

それに比べて私は……。
地味だし。
髪も、ごわごわしてるし。
頭も……勉強をがんばっても、平均点を取るのがやっと。

そんな私たちが、万が一きょうだいだとしたら
遺伝子は意地悪しすぎだと思う。

それくらい、私たちは違いすぎるから。