「きょうだい……だって?」

警察の人は驚いて私と彼を見比べた。

「そうなんです。今、予備校から2人で帰ってきたところなんです」
「ふーん」

警察の人は、じろじろと私と彼を見る。

ごまかせるはずない……!
だって
彼と私じゃ
全く違いすぎるではないか。

私は彼みたいに綺麗じゃない。

すぐにバレる嘘なんかついて、どうするの……!

手が震えて止まらない。
すると、彼がそっと手を重ねてくれた。

大丈夫だよ。

彼の手が、そう言ってる気がした。


そして……

「そうかそうか。きょうだい仲が良くて、何よりだ。でも、ここは不審者もよく来るから、早いところ帰りなさい」

と、あっさり警察の人はどこかへ行ってしまった。