男の人は、女の人のハジメテを
もらいたがるのだと聞いていた。
だから、ハジメテは大事にするべきだって
いろんな人が言っていた。
ネットでも、雑誌でも。

でも、女の人だって、
男の人のハジメテが嬉しいものなんだなって
知った。

「刀馬くん……好き」
「羽奏……本当に?俺のこと、好きなの?」
「大好きなの……どうしてか分かんないけど……」

たった数回しか会ってないのに
どうしてこんなに、この人が好きだって
思えるんだろう。
分からない。
だけど、それ以上に……。

「刀馬くん……私、もっと欲しい」
「羽奏?」
「刀馬くんを、もっとちょうだい」

体の奥底で、彼の体を、魂を求めている。
私は彼の首に手を伸ばし、胸をこすりつけるように抱き寄せる。

それからもう1回、繋がって、お互いの熱をぶつけ合った。
そうして、私たちがようやく満足できたのは
その後3回も、彼の種を受け入れた後だった。

待ち合わせた時は、まだ日も出ていた。
今は、月が窓から私たちを笑ってる……。
そんな気がした。