「羽奏は、病める時も
健やかなる時も、俺といてくれる?」
「はい。刀馬くんもいてくれる?」
「はい。……それから……」

刀馬くんは
左手に力を込めてから
こう言った。

「この秘密を
永遠に守ることを誓います」

私も、彼の手を
握り返す。

「私も、永遠に守ることを誓います」
死が、2人を分つ時まで」

それから
数ヶ月ぶりに私たちは
キスをそっと交わしてから
タイミングを見計らったかの様に
泣き出した赤ちゃんのお世話を
2人で協力して行った。


私たちはこうして
秘密という鎖で
固く強く結ばれた。


これが、本当に正しいことなのかは
まだ私も刀馬くんも
わからない。